駄文046/原作考察/サイヤ人の出産事情
 ベジブルにおいては、どうしてもセックス→妊娠→出産、というフローが存在してしまいます。正直、避妊技術も発達した21世紀の現代で、ここをイコールで繋いじゃうのって抵抗があるんだわな。産む予定・産ませる予定がないなら、なんで生でヤッてんですか、というね。セックスは娯楽やスキンシップの延長で、出産は家族計画で、道程は同じでも意味は別モンなんだよな。かと言って、ベジータにコンドーム付けさせるってのも「無いわー」だし、ブルマが無頓着なのも「無いわー」だし、それでも最終的には生でヤる事実がいる。
 もっとも、リアルタイムでドラゴンボールが連載されていた1980年代後半〜1990年代前半ってのはバブルど真ん中。若い男女が江ノ島で佃煮になってた頃。『ひと夏のアバンチュール』が羨ましがられたり、おニャン子倶楽部がきわどい歌を歌ったり援助交際がなされていたり(この期間で10年のひらきがあって、ひとくくりにするのは乱暴ではあるのだが)、つまり、妊娠を理性的に管理しようって感覚がまだ発達していなかった、と思われる。まあ、小難しい理屈をこねてるが、要するに避妊知識が浸透していなかったってことだ。90年代なんて最近で現代じゃん、と思うかもしれないが、2020年という現代から振り返れば30年前ってそうとう昔で、「ヤッたらできる」という当たり前の現代の常識が常識でなかった、という可能性はじゅうぶんある。コーラで洗えば大丈夫、ってのがまだ実践されてたって言われても驚かない。

 というわけで、ブルマが無頓着にセックスしてた、という可能性はじゅうぶんありうるわけです。
 ヤムチャとヤッてたときは、たまたまタイミングがよかっただけか、そもそも回数が少ないので妊娠に至らなかった、ということでしょう。ちなみに単純計算で、精子の寿命が3日、卵子の寿命が1〜2日ということで、28日周期中4日間が妊娠可能期間として、当たる率は7分の1。実は狙って撃たないとそうそう妊娠はしない。
 
 一方、ベジータはこのへんの知識をどのくらい持っているんでしょう。
 地球の生物に於いて、ほとんどの生き物が雌雄体で繁殖する。宇宙人だってたぶん同じ。なのでオス・メスがいて、交配して、メスが出産する、という知識ぐらいはあるだろうし、軍隊みたいな男社会でそのへんの情報を完全に遮断することは無理だろう。
 なので、ヤッたらできる、ということは分かっている。
 分かった上でセックスしてた、ということで。

 そしてここからが、わたくしの想像です。

 ベジータは、完全に自分の欲求だけでブルマをアンアンさせてたんですね。孕ませようと思ってたわけはもちろんなく、「孕むかもしれない」という心配をすることもなく。ただただ純粋に、ヤりたいからヤる、というね。
 で、妊娠が発覚したときの反応としては、「そりゃそうだよな」という感想が一番に来たのではないか、と。この感想がきて、そしてそこで終わり。

 メスは妊娠したら出産するもの、という感覚が当たり前であるんじゃないかな、と思ってるんですよ。

 さて、ようやくタイトルに戻りまして、サイヤ人の出産事情です。

 あいつら、生まれてすぐに成育器に3年ぐらい入れられてます。
 ベジータもそう。しかも、特別室とかそんなんじゃなく(ひとりだけ別機械ではあったが、それでも同じフロアで)、ブロリー他そのへんのモブと一緒に。

 つまりサイヤ人にとって、人間は資源なわけですよ! 
 産めよ増やせよが国策なわけですよ!
 メスはどんどん産むのが、当たり前の感覚なのですよ!
 
 なので、ベジータは、ブルマの出産に対して、反対する意図は全くないであろうと、わたくしは考えており、そして萌えポイントであります。
 自分の子供だからどうこう、じゃなくて、資源が増えただけという捉え方をしているであろう。
 ベジータには、そのくらいドライでいてほしい。

 で、繰り返して言いますが、だから子供への愛情が芽生えて鼻の下のばしてるベジータとか、見たくないんだよなぁ。
 青年トランクスへの愛着はまだいいんだよ、対等に戦える戦士としての信頼という意味で。
 魔人化して、家族への愛着を断ち切りそうになったあの場面はすんげえ燃えたけど、一瞬だったなぁ‥‥。

 しょんぼり。



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