駄文021/原作考察 最大のジョーク
『スーパーサイヤ人のバーゲンセール』。

これはもう、ドラゴンボール全42巻の、最大のジョークと言っても過言ではないでしょう。

なあもう。カリフラちゃんとケールちゃんが、ちょっと背中に集中しただけで超化できちゃうんだよ、安くなったもんだよな、スーパーサイヤ人。

さて、有名な話であるが。魔神ブウ編は、鳥山明が好きなように描いたラストエピソードである。
そして鳥山明はギャグ畑の人であり、それこそ、魔神ブウ序盤の悟飯高校生活編が楽しかった発言からして、スーパーサイヤ人がどうのこうのって、かなり重荷だったんじゃないだろうか。
それを単なる、特撮系の変身レベルにまで落としてもっとフランクな性質にしてしまいたかったんじゃないだろうか。
だってこのままだと、じゃあ現行世界のトランクスがスーパーサイヤ人になるのはいつか、っていう話になり、そこでまたシリアス展開が要求されることを考えたら、さっさと片付けておきたいじゃん、そんな案件。
フリーザ編のどシリアス設定、人造人間編のパワーインフレ状態、それらの全てを、この一言でジョークにしてしまった、この発言はもう、神としか思えない。

鳥山明の意図は分からないが、しかし大事なことが。

ベジータ好きにとって、ベジータの超化ってのは大事な事件なんですよう。
己の弱さに対する怒りで目覚めるッちゅー、この一言だけで、どんだけバックグラウンド組み上げてしゃぶりついてきたか。
そしてもちろん、ベジータの超化にはブルマが(どんな形かは各ベジブラーの妄想の自由の中にあるが)関わっていて、そこにドラマがあるのですようう。
そんな大切な、定価で買ったドラマが、今やもうワゴンセール。
悲しい。

ところで、トランクスって、未来でも現行世界でも、超化にベジータが全く関わっていない。
これもまた悲しい。
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